この記事は、やりたいことを探し続けて、
新卒、内定ゼロで卒業、既卒就活、転職3回
その後10年近く苦労し続けた体験談です。
この記事を読んでほしいのは「やりたいこと」「やりたい仕事」「適職」に悩む全ての人です。
1つでも当てはまる人には、参考になると思います。
- 就活や仕事でやりたいことが分からない人
- やりたいことができる会社で働きたい人
- 働く理由が分からない人
目次
新卒就活で「やりたい仕事」に迷い続ける
平成元年生まれの僕は、現在は個人事業主ですが、それまではやりたいことにずっと迷って生きてきました。
新卒で就活を始めたのは、少し早めの大学3回生の冬からでした。
でも、いきなり30社連続で落ちてしまいます。
ほぼ書類選考落ちで、面接に進んでも、受け答えすら怪しいくらいのレベル。全く手ごたえがなく、グループワークもSPIもすごく苦手でした。
面接では、自分でも何が言いたいのか分からないような受け答えをして、面接官に失笑されるようなことを繰り返しました。
一足早く活動を始めたのに、ほとんどの同級生が就活を終える中、僕はまだ就活していました。
結果が出ない中で、こんな風に考えます。
面接でやりたいことを聞かれて、答えられなかった
↓
選考に進めないのは、やりたいことが分からないからだ
↓
やりたいことを仕事にしないといけない
↓
適職につかなければならない
↓
やりたいことができる会社を探すしかない!
そこで、自己分析を重ねた僕は「グラフィックデザイナー」がやりたいことだと考えました。
理由は、美術部に入るくらい絵を描くことに関心があり、表現することが好きだったからです。
想いを形に残せる「グラフィックデザイン」は、自分の進むべき道だと、本気で思いました。
今考えると当然なのですが、2年以上専門学校で学ぶ人もいる職種に、デザインソフトもまともに使えない就活生が飛び込むのは無謀です。
周りで進路が決まっていないのは僕くらいだったので、毎日、自己嫌悪に陥っていました。
なんとか自分を支える理由が欲しくて、友人には「グラフィックデザインの専門学校に行く」と言って、進路未定で大学を卒業しました。
もう、何も分からなくなっていました。
親と冷静に話ができる関係では無くなっていたため、ただひたすら1人で悩み続けました。

卒業した僕は、2ヶ月くらいの間ほとんど引きこもり状態で過ごします。
考えれば考えるほど、やりたいことが分からなくなっていました。
新卒を捨てて、やりたい仕事に挑戦
大学卒業後しばらく経ってから、とりあえず興味があることをやろうと思い、色々と挑戦しました。
半年契約のWEBデザイナー訓練

最初に半年間のWEBデザイナーの訓練に参加しました。
働きながらWEBデザインが学べる訓練があるということをネットで知り、これが「やりたいことかもしれない」と思いました。
部活で美術部に所属していたので、表現することを仕事にしているクリエイターに憧れていました。
しかし、訓練は思っていた以上に大変で、WEB言語を習得する段階でその文字を見るだけで、頭が回らなくなり
パソコンを見ると眩暈がして気分が悪くなってしまうになり、途中で挫折してしまいました。
就活で散々だった僕は、また一つ自信を失いショックでしばらく立ち直れませんでした。
「やりたいことを仕事にすることなどできないんだ」
と考えた僕は、「給料」や「待遇重視」で就活を再開します。
自信がゼロだったので、とりあえず就活でアピールできそうな資格を取り、バイトをしながら、就活をしました。
既卒として就活した僕は、さらに100社以上の選考に落ちましたが、努力の甲斐あって納得のいく条件の海運会社から内定をもらいました。
海運関係の会社

給料はすごく良かったけど、嵐のように忙しい職場と厳しすぎる指導に馴染めずに8ヶ月くらいでうつ状態になって退社。
本当に、何もかも向いてない仕事内容でした。毎日怒鳴られて、40分以上人前で説教をくらい、体育会系の社風についていけませんでした。
100社以上落ちて、せっかく就職できた会社だったので、限界まで頑張りましたが、電話応対で声が出なくなって、精神的に限界を迎えました。
グラフィックデザイナーの職業訓練

退社後、「もう興味のあることしかできない」と考え、元々興味があった4ヶ月間のグラフィックデザイナーの職業訓練を受けて、修了しました。
念願だったデザイン会社に就職しました。
しかし、その会社も毎日、社長の怒鳴り声が響くような環境だったので、2か月経たずに会社に行けなくなります。
デザインの訓練自体は楽しかったのですが、仕事としてやってみた感覚は、思っていたものとは違いました。
何よりも、怒鳴られるかもしれないと怖くて、欠勤してしまった時に
「人間としておかしい」
と上司に言われてかなり病みました。相談できる人もいなくて、すぐに退社し、引きこもり状態になりました。ほとんどの時間を部屋に引きこもって過ごしました。
お酒とタバコとネットサーフィンをしながら、過去の嫌なことのフラッシュバックに耐える引きこもり生活でした。
ハローワークで恩人に出会う
僕はもう会社では働けないから、
個人事業主として開業することを本気で考えました。
開業届を出して一週間後に、
当時付き合っていた彼女から「会社で働かないなら別れる」と言われました。
「3ヶ月で就職が決まらなければ別れる」
ということになり、そのプレッシャーが逆に良かったのか、必死になって就活を再開しました。
「好きなこと」「興味のあること」から仕事を探すのが良いよ、とハロワークの恩人にアドバイスされ、ちょうどギリギリの3ヶ月が経ったころ、文化施設の職員に内定しました。
ハロワの恩人のアドバイスでコツを掴み、興味のある絵画から探した「額縁の会社」、手先の器用さを活かした「リフォーム関連のリペア職人の会社」からも内定をもらいました。
その中から、自分が一番貢献できそうな「文化施設」を次の職場に選びました。
文化施設で働いたことが自信になった

文化施設の業務では、僕の趣味レベルのデザイン力、芸術への興味、鬼のように忙しかった海運会社での電話応対の経験、その全てが活かされました。
今までの会社では感じたことのない「会社の役に立っている」という感覚が、少しずつ僕に自信を与えてくれました。
徐々に信頼されて仕事を任せてもらえることが増えていき、ある日、先輩に「仕事ができるね」と言われました。
今まで、そんなことを言われた経験が無かったので、「会社に期待されているんだ」と思え、本当に嬉しかったことを覚えています。
時の流れは早いもので、新卒で就活していた頃から10年、
今までの経験から「やりたいこと」について色々気づいたことがあります。
新卒のセミナーで聞いた「なぜ働くのか?」の答え
新卒就活生の時、ある企業の会社説明会でのこと。
セミナーの最後に「就活中に悩んでいることを何か質問してください」と1人ずつ当てられました。
ちょうどその頃は無謀にも挑戦したグラフィックデザイナー職で全滅して落ち込んでいました。
ちょうど新卒秋採用に最後の望みを託していた時でした。就活のモチベーションを探していた僕は「働く理由」について真剣に考えていたんです。
僕の番が回ってきたので、純粋な気持ちで質問をしました。
小さな教室くらいのセミナー会場がザワザワしました。
「こいつ大丈夫か」と思われたらしいです。笑
でも、僕は大真面目でした。
採用担当のおじさんに、こう即答されました。
「社会に貢献するためですよ!!!」
「社会に貢献するため??」
当時の僕にはまったく響きませんでした。
- 「お金のため」
- 「家族を養うため」
- 「食べていくため」
とか言ってほしかったんです。
それで自分が「やりたいこと」への執着を諦めて、現実的に会社で働くことを納得させてもらえる理由が欲しかった。
「やりたいこと」を諦めさせてくれる理由が欲しかったんです。
だから、当時は本当に
「社会に貢献するってなんやねん、きれいごと言いやがって」
と思いました。
でも、十年近く経って、改めて働く理由についてじっくり考えてみて
自分の頭の中でひねり出した「働く理由」は、
そのセミナーの担当者と同じでした。
僕が働く理由は、
- 自分にできることで、誰かの役に立つこと
- その対価としてお金をもらうこと
誰かの役に立つことは、言い換えれば、社会貢献なんだなと気づきました。
今まで「やりたいこと」を求めて色々上手くいかなかったのは、
貢献できることが少なくて、居心地も悪くて、辛い気持ちになり、苦しむことばかりだったからかもしれません。
社会に貢献できてなかったから
かもしれません。
新卒生がハマる罠:会社はやりたいことをする場所なのか?
僕が根本的に間違っていたことは、そもそも会社は「やりたいことをやる場所ではない」ということです。
会社とは、「会社を通して、社会に貢献する場所」なのかなと思います。
- 会社がやりたいことのために、自分ができることで貢献する
- その対価としてお金を受け取る
就職とは「会社がしたいことのために貢献し、その対価としてお金を受け取る契約」とも言えます。
そこそも会社は社員がやりたいことをするための場所ではない。
そんなのあたりまえじゃん!
って思う人の方が多いかもしれません。
でも僕には、それが長い間分からなかったんです。
働くことを、頭の中でもっと高貴なものとして、かけがえのない誇り高いものとして考えていたようです。
新卒・既卒・転職でも、採用担当者が知りたいのは「役に立つ人材かどうか」

就活で「うちの会社でやりたいことは何ですか?」を言葉のままに受け取って、悩み続けました。
やりたいことなんてないな、、、、と正直思っていたんです。
でも「会社とは、自分のできることで、組織に貢献する場所」と考えれば、
「どんな貢献ができますか?」
と聞かれているだけだったんです。
新卒の面接で「やりたいことは何ですか?」とあまり聞かれない理由
「会社でやりたいことは何ですか?」
と聞いてこない面接もあります。
それは、社員のやりたいことよりも、
会社がやりたいことに、どう役に立ってくれるのかを期待しているからです。
やりたいことが分からなくても「内定」できる

やりたいことが100%できる会社は見つからないかもしれません。
やりたいことを背伸びして無理して探すよりも、
今得意なこと、今できることから仕事を探していく方が、上手くいくことが多いかもしれません。
たとえ、やりたいことがなくても、会社に貢献できる何かがあれば、そこで働く十分な理由になります。
たとえ興味のある業界や仕事でなくても、貢献できそうだと思えば、憶することなく選考に参加してみると、意外と上手くいきます。
その会社の業務で、自分の力を活かして貢献できそうかどうか、
働いているイメージができるかどうかが重要です。
就活でやりたいことなんて無くて良いんです!!!
やりたいことがなくても内定も取れます。
あなたに、その会社に貢献できる何かがあれば
やりたいことなんて重要じゃないんです。
就職しても「やりたいこと」は逃げない!
たとえ「自分がやりたいこと」とは別の道に進んだとしても、やりたいことから遠ざかるわけではありません。
どんな道に進んでも、やりたいことを想い、探し続ける限り、やりたいことはあなたから絶対に逃げていきません。
そのタイミングになれば、やりたいことは、向こうから勝手に近づいてきます。
別の道に進んだからこそ、自分の本当の気持ちが見えてくることもあります。
本当にやりたいことは、逃げないと思ってほしいです。
「やりたいこと」は向き合っていれば、自然と分かってくる
本当にやりたいことは、遠回りしながら、色んなことを経験しながら、ゆっくり時間をかけて、少しずつ分かってくるものだと思います。
やりたいことがなくても、焦らなくていいです。
僕は無職ニート期間を経験していますが、
引きこもっていただけでも「ブログ」
というやりたいことに出会ったので、そう思うんです。
やりたいことを見つける方法
やりたいことを見つける方法について、僕の愛読書『夢をかなえるゾウ』に良いアドバイスがあります。
自分がやりたいことを見つけるために一番やってはいけない方法は『考える』こと。
やりたいことを見つけるためのたった一つの方法は『体感する』こと。
僕も、色んな本を読んでネットで情報収集して
「グラフィックデザイナー」
がやりたいことだと考えました。
実際にやってみると「辛さ」の方が大きくて挫折しました。
僕が一番続いた仕事は、興味の無かった文化施設の職員でした。
興味は無かったけど、チラシ作成業務ではグラフィックデザインの経験が活きたし
文化施設なので、画家を目指して絵を描いていた時期があったことが面接でアピールになりました。
業務でもデザインスキルなどが役に立ちましたよ。
まとめ
僕は「やりたいこと」を追い求めて悩み苦しみ
たくさんの挫折を経験してきました。
振り返ってみて
「こんなはずじゃなかった」
と思う日の方が多かったです。
そんな時期を乗り越えて、今、僕はブログを運営しています。
挫折、失敗、すべての経験は、記事にして発信していくことで、同じように悩み苦しんでいる人に貢献できたらいいなと思います。
それが、いつか仕事になればいいなと思って、今も記事をコツコツ書いています。
やりたいことは焦って探してもなかなか見つからない。
特に就活では、やりたいことよりも
「貢献できること」
が大事かもね、、というお話でした。
以上です。