生まれつき繊細な気質を持つHSPで、イラストレーターである、かほりさんの著書
『「HSP」で「ひきこもり」だけど私は元気です。』
を読んだので、感想をレビューします。
HSP×イラストレーターのかほりさんとは?
イラストレーター・漫画家であるかほりさんは、生まれつき繊細な気質を持つHSPです。
ホームページに掲載されているお仕事実績を見ると
雑誌や教科書のイラストも手掛けるなど
プロとして大活躍されているのが分かります。
参考:イラストレーター・漫画家かほりのホームページ
しかも、ひきこもりのまま、これだけの仕事をこなしてきたと言います。
いったいどうやったら、そんなことができるの…?
という秘密が本書に詰まっている訳です。
概要を簡単に
いろいろなつらいことがあって、ある時期から外に出られなくなったかほりさん。
心身ともに苦しい時期を乗り越え、ひきこもりのままのスタイルで
自分に合った生き方を見つけるまでのプロセスが書かれています。
かほりさんのひきこもりやHSPの体験談の漫画と
HSP専門カウンセラーの武田友紀さんの解説も加わって、話が進んでいきます。
かわいいイラストで読みやすい
まず、目を引くのは、かほりさんのイラストです。
とにかくかわいいですし、シンプルなタッチで描かれているので、視覚情報が少なくて、ホッとします。
もしかして繊細なHSPのために、ソフトな画風や配色を選んでいるの?
と感じるくらい視覚的にも優しいデザインになってます。
武田友紀さんの監修・解説
HSP専門カウンセラーの武田友紀さんが監修・解説しているのも注目です。
武田友紀さんと言えば『繊細さんの本』『繊細さんの幸せリスト』などのHSP関連の著書があり、TVやラジオなどでも活躍されているHSP専門カウンセラーさんです。
個人的に尖った見方をすると、
監修って名前だけなんじゃないの?
って思うことがあるのですが
本書は、正確には「監修・解説」であり、読んでみて「コラボ」に近いと感じました。
1ページ目に、かほりさんの漫画でエピソードがあって、次のページで武田さんからのヒントやアドバイスの言葉がたっぷりと添えられています。
- かほりさんのかわいい漫画やイラスト
- HSP専門カウンセラー武田さんのカウンセリング
2つをかけ合わせて合作したような印象なので、
1冊でお2人どちらの作品も楽しめるような構成になっています。
印象に残った言葉
「何もできなくてつらい」という言葉の背景に、「何もできない自分には価値がない」という思いが潜んでいることがある
引用:「HSP」で「ひきこもり」だけど私は元気です P50
かほりさんが、ひきこもりになって、何もできないと思って落ち込んでいた頃
「できること」に目を向けるようになって、楽になったエピソードがあります。
武田さんは「成果主義の社会では、何ができるかで人間の価値を測る」と言います。
「何ができるかに関係なく、生きていて良いんだよ」
という言葉にとても安心しました。
やりたいことを見つけると、人を羨むことが減る。
引用:「HSP」で「ひきこもり」だけど私は元気です P74
やりたいことをやっていると、他人を羨ましく思うことが減ると言います。
仕事=やりたいこと
が実現できれば最高ですが
いきなり大きなところを目指さなくてもいい
趣味くらいのことから、自分が本当にやりたいことを模索していくだけでも
人に対する負の感情は、軽くなっていくのかなと思います。
物の位置が気になる
引用:「HSP」で「ひきこもり」だけど私は元気です P160
かほりさんが、食卓でお皿やコップが机の端っこにあると
落ちそうで気になってしまうというエピソードがあります。
これはHSPあるあるでよく耳にします。
僕も過去にグラスをこぼして恥をかいた体験が焼き付いているので、物の位置が気になります。
時々、身振り手振りが大きいのに、グラスだけは器用に避ける雑技団のような人がいて、同じ人間とは思えません。笑
このような「HSPあるある」もたくさん紹介されているので、読んでいてクスッと笑えて楽しかったです。
まとめ
僕も大人になってから断続的にひきこもりを経験したり、自己否定感、憂鬱や孤独、憎しみや恨みに押しつぶされたことがあります。
身近な人に辛さを理解してもらえないことが、さらに苦しみを生むかもしれません。
かほりさんの場合は、お母さんやご主人の理解があり、愛うさぎ「紋丸」くんが可愛くて癒されたり、武田友紀さんとの出会いがあったり
そして何よりイラストという最強の武器があるのは強みだなと感じます。
世間一般にネガティブなイメージをもたれがちな「ひきこもり」ですが
かほりさんのように、ひきこもりのままでも、自分の働きやすいスタイルを構築し
世の中で活躍されている人がいることは、HSPに限らずたくさんの人に知ってほしいです。
無職・求職中・病気療養中などの場合は、文章も読めないくらいしんどい時もあるでしょう。
そんな時は、かほりさんの漫画のページをパラパラ読むだけでも、きっと気持ちが楽になると思います。
かほりさんも、そんな時期を乗り越えて、今元気になった一人です。
ひきこもりの体験を、ここまで包み隠さず発信してくれた
かほりさんの勇気と優しさが、何よりも素敵だなと感じました。
以上です
▼今回紹介した本はこちら
▼かほりさんによるipadでのイラストの描き方が学べる本
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