5人に1人の繊細なHSPにとって、最大の悩みは「仕事」ではないでしょうか?
「適職が分からない」「なぜか職場でうまくやれない」「転職を繰り返す」…こんな悩みをHSPの僕自身が長年抱えてきました。
今回紹介する『敏感すぎる人の「仕事の不安」がなくなる本』は、HSP専門カウンセラー&キャリアコンサルタントのみさきじゅりさんが書いた本です。
HSPが自分の気質を深く理解し、適職を見極め、職場で上手くやっていくためのノウハウが詰まったすごい本でした。
では、続きをどうぞ!
目次
著者「みさきじゅり」さんとは?
みさきじゅりさんは、HSP専門カウンセラー&キャリアコンサルタント(厚生労働省認定国家資格)です。
日本人で初めてHSPの提唱者エレイン・アーロン博士の「専門家認定プログラム」を修了しました。
著者自身もHSP当事者であり、仕事やキャリアで長年悩んできたことから、「HSP」と「キャリア」への専門知識を深めていったそうです。
専門家として、WEBサイト、SNS、執筆による情報発信や、カウンセリング、セミナーなどで活躍されています。
『敏感すぎる人の「仕事の不安」がなくなる本』を知ったきっかけ
僕がこの本を知ったきっかけは、大阪でHSPの交流会に参加した時に、同じグループの一人がHSPにおすすめの本として紹介してくれたことです。
最初は「そんな本もあるんだな」という感じでしたが、書店でチラっと立ち読みしてみたところ、
今まで翻訳本しか手がかりが無く、曖昧だったHSPの4つの特徴「DOES」が、日本語で日本人の具体例で詳しく説明されていて驚きました。
さらに、HSPの仕事の悩みをここまで深く掘り下げた本は初めてだったので、即決で購入に至りました。
みさきじゅりさんの『敏感すぎる人の仕事の不安がなくなる本』を買ってみました。
まだパラパラ読んだだけですが、仕事や適職で悩んでいる人に、かなりおすすめです。
最近、HSPの良い本がたくさん出ているので、立ち読みとかでチェックしてみてください^_^ pic.twitter.com/l0iAYPKsMl
— ミケ男@繊細革命 (@mikeoblog) 2019年6月20日
『敏感すぎる人の「仕事の不安」がなくなる本』ってどんなHSPの本?
この本の概要を簡単に説明すると、
前半は、HSPのセルフテストや4つの特徴(DOES)、他概念との違いなど、自身のHSPについての理解を深めます。
後半は、前半の内容を元に、仕事の悩みや不安への考え方・解決策・方向性・適職について考察していくようなイメージです。
では、さらに詳しくこの本の特徴と魅力を紹介します。
HSPを活かす仕事探しの4つのポイントが分かる
筆者はHSPが仕事を考える上でおさえたいポイントが4つあると言います。
環境、適性、人間関係、ペース
僕自身の過去を振り返っても、この4つのいずれかが合わずに退職に追い込まれたことが何度もありました。
HSPの仕事探しでは、自分にあった環境、適性、人間関係、ペースで働くことができる職場選びが大切という考えに納得しました。
一般社会で生き抜かなければならないHSPの背中を押してくれる
みさきじゅりさんは、会社員としてキャリアを重ねた後、キャリアコンサルタントとHSPの専門知識を深められてきました。
つまり、一般社会での体験が本のベースになっているということです。
お医者さんや学者さんの視点ではなく、一般社会で生き抜かなければならないHSP当事者目線が大切にされているのも魅力でしょう。
HSPにしか分からない深い部分での共感や納得感があるので、読めばきっと背中を押してもらえると思います。
DOESの部分だけでも買う価値がある
HSPの4つの特徴である「DOES」は、HSPの診断チェック以上に重要だとも言われています。
DOESとは、下記の特徴の頭文字からきた言葉です。
D(Depth of processing)深く処理する
O(Overarousal)過剰に刺激を受けやすい
E(Emotional intensity)強い感情反応
S(Sensory sensitivity)ささいな刺激を察知する
※本書では、英語を正確に翻訳するよりも、意味合いが分かりやすい日本語に独自に変換されています。
僕はDOESの説明だけでも、この本を読む価値があると思っています。
英語に堪能な著者によって、アーロン博士の最新の研究動向や伝えたいニュアンスも伝わってきます。
特徴の一つ「深く処理する」だけでも10ページ以上に渡って分かりやすい具体例とともに説明されています。
DOESを日本人の言葉で、日本人の具体例で、ここまで丁寧に深く理解できる本は、今まで無かったかもしれません。
4つの特徴への理解は、HSPの生きやすさに直結します。
『敏感すぎる人の「仕事の不安」がなくなる本』 P61
『敏感すぎる人の「仕事の不安」がなくなる本』で共感したポイント
僕が特に共感したポイントを抜粋して紹介します。HSPの役に立つ、気づきがたくさん見つかるでしょう。
HSPらしい長期視点の考え方
心の中の状態が気分や体調に素直にあらわれやすいHSPだからこそ、就職活動の方向性を納得している必要があります。
(省略)長期的な視点でキャリアをとらえ、多少のことがあっても気持ちが大きくブレない軸を持ちましょう。
『敏感すぎる人の「仕事の不安」がなくなる本』 P228
仕事を覚えるペースが独特
一度だけ言われても仕事を覚えられないが、「仕事の全体的な流れ」や「自分がやる作業の目的」を教わると理解しやすいと聞きました。
そのため、「作業を覚える」のは苦手ですが、「作業を理解できると、HSPは力を発揮する」ことも多いと分かってきました。
『敏感すぎる人の「仕事の不安」がなくなる本』 P206
HSPと仕事
HSOは仕事をするときに、「私の使命」を自然に考えます。
HSPの根本にあるテーマを理解して、現実的な仕事探しやキャリアプランを作ることが重要です。
『敏感すぎる人の「仕事の不安」がなくなる本』 P168
HSPのプライドVS一般的なプライド
HSPのいうプライドは「一つのことをやり通す」「質を追求する」というった意味合いがあるでしょう。
かたや、一般的には、その人が「自分を守るためのプライド」や、組織では「なわばりを含んだプライド」もあります。
『敏感すぎる人の「仕事の不安」がなくなる本』 P240
変わっているかもしれないけど、私はこういう人間だ
HSPの気質をしっかり理解することで、「変わっているかもしれないけど、私はこういう人間なのだ」と思えるようになっていきます。
「なんとなく変わっている」のではなく、「脳での感覚処理が活発すぎる」といった生理的な現象からくるもので、
脳科学的にも証明され、説明もつくというのはHSPにとって安心できることです。
『敏感すぎる人の「仕事の不安」がなくなる本』 P132
本を買う前に知っておきたいこと
イラストや漫画で優しく学びたい人へ

この本は表紙のかわいいイラストが印象的ですが、中身は文章がメインです。

▼もし、イラストや漫画が多いHSP本を探しているなら、一緒に『敏感にもほどがある』を読むと、息抜き的な感覚で楽しめると思いますよ。
著者はHSS型HSP
あえて書いたのは、HSS型HSPの人には本当に読んでほしいと思ったからです。
今まで、本を出版するHSPでHSS型の人は少ない印象がありました。
筆者の行動力や言葉の全てがHSS型の当事者への勇気になるのではないかと思います。
もちろん、HSSでないHSPの僕が読んでも「すごく良い!」と思える本だったので、
仕事で悩む「全てのHSP当事者」におすすめできると言えます。
まとめ

『敏感すぎる人の「仕事の不安」がなくなる本』は、まず、HSPの特徴について、今まで翻訳本だけでうやむやになっていた部分をスッキリ言葉にしてくれます。
そして、ほとんどのHSPが悩みを抱える「仕事」にフォーカスして、働き方や適職についてのアドバイスが詰まっていました。
僕自身、就活をしていた頃に、こんな本があったら、もう少し自分らしい働き方や職場選びができたかも…と思います。
HSPが現実と折り合いをつけながら、無理なく、自分らしく働ける環境を見つけたいと思うなら、
この本はとっても役に立つと思いますよ。
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